三点透視図法で絵が歪むのはなぜ?アオリ・フカンを自然に描くプロの極意
三点透視図法で絵が歪むのはなぜ?アオリ・フカンを自然に描くプロの極意の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
SNSの作画相談コミュニティや質問サイトにおいて、「三点透視で描いた背景がゴムのように歪む」「魚眼レンズのようになって違和感が消えない」という悩みが後を絶ちません。現場の作画指導データやプロの添削事例を分析すると、初心者が陥る歪みの原因は以下の3点に集約されます。
第1の原因は、作画用紙(キャンバス)の内側に消失点を置いてしまうことです。人間の肉眼が自然に捉えられる視野(注視野)は水平約60度と言われています。キャンバスの中に左右の消失点や縦の消失点をすべて収めてしまうと、強制的に超広角レンズ(魚眼に近い視野)で覗いた状態になり、オブジェクトの端が極端に引き伸ばされてしまいます。
第2の原因は、3つの消失点が作る「三角形」の内側に被写体を収めていないことです。幾何学上、三点透視が破綻なく成立する安全領域は、3つの消失点を結んだ三角形の内部に限られます。この三角形の外側に建物やキャラクターを配置すると、パースラインが鋭角化しすぎて不自然なねじれが発生します。
第3の原因は、アイレベル(視線の高さ)とカメラの仰角・俯角の不整合です。アオリ構図を描いているにもかかわらずアイレベルを画面上部に設定したり、フカンなのにアイレベルを足元より下に置いたりすると、鑑賞者の脳内で視覚情報の統合ができず、強烈な酔いや違和感を引き起こします。