クラゲの頭はどこ?実は脳も心臓もない!丸い傘の正体と驚愕の生存戦略
クラゲの頭はどこ?実は脳も心臓もない!丸い傘の正体と驚愕の生存戦略の真相について、専門知識を基に徹底解説します。
水槽を見上げて誰もが指差す「丸い頭」の正体、それは解剖学用語で「傘(かさ/Umbrella)」と呼ばれる運動器官だ。クラゲを観察して「クラゲの頭はどこにあるのか?」と探そうとしても、見つけることはできない。なぜなら、クラゲが属する刺胞動物門の生物には、そもそも頭部という概念そのものが存在しないからだ。
人間をはじめとする脊椎動物や昆虫などは、進行方向に感覚器官と神経中枢を集約させた「左右相称動物」に分類される。頭部に目や鼻、口、脳を集中させることで、前進しながら効率的に環境を把握する進化を遂げた。対してクラゲは、中心から放射状に器官が広がる「放射相称動物」だ。前後左右の区別がなく、あるのは「口がある側(経口側)」と「その反対側(反口側)」という上下の軸のみ。360度あらゆる方向から等しく情報を受け取り、どの方向へも即座に移動できるよう設計されているため、司令塔としての頭部をそもそも必要としない。
では、あの丸い「クラゲの傘の構造」はどうなっているのか。傘の外側は「外傘(がいさん)」、内側は「内傘(ないさん)」と呼ばれ、その間には「中膠(ちゅうこう)」というゼラチン質の層が詰まっている。この中膠の成分は実に約95%〜98%が海水と同じ水分で構成されており、残りのわずか数パーセントがコラーゲンなどのタンパク質繊維だ。傘の縁にある環状の筋肉(環状筋)をリズミカルに収縮させ、内側の海水を勢いよく後方へ押し出すジェット噴射によって、あの独特の浮遊と推進力を生み出している。