なぜ斎藤清の版画が高騰?最新相場と偽物を一目で見抜くプロの鑑定術

なぜ斎藤清の版画が高騰?最新相場と偽物を一目で見抜くプロの鑑定術の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

現在、ネットオークションを中心に最も多くの被害を生んでいるのが、精巧な複製印刷を本物のオリジナル木版画と誤認して購入してしまうトラブルです。斎藤清版画偽物の見分け方および斎藤清木版画真贋鑑定において、プロの鑑定士が現場で実践している「3つの物理的チェック法」を公開します。

【盲点1】ルーペで拡大したときの「網点(ドット)」の有無
カラーコピーや現代の高品質オフセット印刷で作られた偽物は、肉眼では木版画と見分けがつかないほど精巧です。しかし、30倍程度の倍率を持つルーペやマイクロスコープでインク面を拡大すると、複製印刷物は規則正しい「C・M・Y・Kの網点(微細な色の粒子の集合)」が現れます。対して、本物の木版画は和紙の繊維の奥深くまで水性顔料が染み込んでおり、顔料の均一な膜や、繊維に絡みついた自然な色のグラデーションが確認できます。

【盲点2】和紙の裏面と「バレンの圧力痕(バレン跡)」
額から作品を取り外せる場合、紙の裏面を見るのが最も確実な見極め法です。本物の木版画は、職人や作家が版木の上からバレン(竹皮で編んだ道具)で強い圧力をかけて摺るため、紙の裏側にうっすらと絵柄が浸透(裏抜け)し、斜めから光を当てるとバレンを円形にこすりつけた凹凸痕が見えます。一方、機械印刷された複製画の裏面は真っ白で凹凸がなく、ツルツルとした平坦な感触しかしません。

【盲点3】落款(印章)とエンボスの凹凸
斎藤清の作品には、画面内に「清」などの赤い落款が押され、余白に作家のエンボス印(空押し印)が施されている作品が多くあります。本物の木版画に押された落款は、実際に印泥や朱肉で捺印されているため、インクの盛り上がりや紙の繊維への浸透が見られます。印刷による偽物は、この落款部分まで平面的にカラー印刷されているため、光を反射させても立体感がまったくありません。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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