映画凶悪の実話と実名一覧!先生の正体三上静男と死刑囚の現在

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映画『凶悪』の骨格となったのは、2005年に表面化した「上申書殺人事件(茨城上申書殺人事件)」です。当時、別件の拳銃乱射・殺人事件などによって拘置所に収監され、すでに死刑判決を受けていた元暴力団組長が、「警察が把握していない殺人が他に3件ある。すべて黒幕の指示で行われた」とする上申書を茨城県警に提出したことから端を発しました。

しかし、当初警察はこの上申書を「死刑執行を先延ばしにするための狂言」とみなして捜査を放置。司法に見捨てられた死刑囚が頼ったのが、月刊誌『新潮45』編集部でした。編集次長であった宮本健二記者らの粘り強い現地取材と裏付け調査により、以下の「完全犯罪として葬られていた3つの凶悪事件」の輪郭が公に晒されることとなりました。

事件名・発生時期被害者と手口の概要犯行の動機と搾取対象刑事責任・司法判断石岡市・建設会社社長焼却事件
(1999年11月)茨城県石岡市の土木建築会社社長(当時61歳)を拉致監禁。睡眠薬入りウイスキーを無理やり飲ませ、急性アルコール中毒死させた後、遺体を産業廃棄物焼却炉で骨まで焼き尽くした。被害者の会社が抱えていた手形や不動産資産の乗っ取り。数千万円規模の債権回収。公訴時効成立により不起訴
(法改正前の殺人罪時効15年が成立)北茨城市・保険金溺死殺人事件
(1999年11月)水戸市の資産家男性(当時67歳)を養子縁組させて多額の生命保険に加入。睡眠薬を投与した上で川へ突き落とし、偽装溺死させた。遺体は阿武隈山地に遺棄。死亡保険金約1億円の詐取。土地・不動産名義の違法な書き換え。殺人罪で起訴・有罪確定
(三上に無期懲役判決)日立市・アルコール過剰摂取殺人事件
(2000年8月)日立市の無職男性(当時73歳)を監禁。高濃度のウォッカや焼酎を何日にもわたりストレートで無理やり流し込み、急性心不全で衰弱死させ、山中に埋没遺棄した。被害者が所有する広大な土地や山林の転売利益の強奪。殺人罪・死体遺棄罪で起訴
(併合罪として処罰)

映画で凄惨に描かれた「高濃度アルコールの強要」「生きたままの焼却・山中への遺棄」といった場面は、脚色ではなく公判資料や手記に記された記録そのものでした。被害者はいずれも社会的孤立状態にあった高齢者や多重債務者であり、周囲から不審がられにくい人間を意図的に選別して罠に嵌めるという、極めて計画的かつ卑劣な手口が取られていたのです。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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