等差数列の和の公式は丸暗記するな!一瞬で導ける本質と共通テスト裏ワザ
等差数列の和の公式は丸暗記するな!一瞬で導ける本質と共通テスト裏ワザの全貌を分かりやすくまとめてご紹介します。
高校数学B数列の教科書には、等差数列の和を求める公式が2つ記載されています。多くの学習者が「2つも覚えるのは面倒だ」と拒絶反応を示しますが、実際には「片方の式にもう片方を代入しただけ」であり、実質的には1つの式に過ぎません。まずはこの2つの関係性を整理しましょう。
初項を $a$、末項を $l$、項数を $n$、公差を $d$ と置いたとき、等差数列の和 $S_n$ は以下の2通りで表されます。
【公式①:末項が分かっている場合】
$$S_n = \frac{1}{2}n(a + l)$$
【公式②:公差が分かっている場合】
$$S_n = \frac{1}{2}n\{2a + (n - 1)d\}$$
公式①は、先ほどのガウスの計算法そのものです。すなわち、「(初項 + 末項)× 項数 ÷ 2」という構造になっています。台形の面積公式である「(上底 + 下底)× 高さ ÷ 2」と全く同じ形をしていると捉えるのが、最も記憶に定着しやすい等差数列の和の公式の覚え方です。
では、公式②はどこから湧いて出たのでしょうか。ここで鍵となるのが、等差数列一般項の求め方です。第 $n$ 項(末項 $l$)は、初項 $a$ に公差 $d$ を「$n-1$ 回」足したものなので、以下の基本関係が成り立ちます。
$$l = a + (n - 1)d$$
この $l$ を公式①の式にそのまま代入してみましょう。
$$S_n = \frac{1}{2}n\{a + [a + (n - 1)d]\} = \frac{1}{2}n\{2a + (n - 1)d\}$$
これで公式②が瞬時に導き出されました。教育情報サイト『理系ラボ』の解説にもあるように、厳密な等差数列の和の証明を記述させる国公立大の二次試験であっても、逆順に並べて両辺を足すプロセス($2S_n = n(a+l)$)を数行記述するだけで満点が獲得できます。2つの公式を別個のものとして丸暗記するのではなく、「末項が判明しているなら公式①」「末項が不明で公差 $d$ が与えられているなら公式②」と、与えられた条件から自動的に選べる状態を作ることが実戦力の第一歩です。