Apecの裏で何が?米中激突の真相と日本経済を揺るがす新秩序
Apecの裏で何が?米中激突の真相と日本経済を揺るがす新秩序について分かりやすく解説いたします。最新の情報をお届けします。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)が他の国際機関と決定的に異なる点は、参加単位が「国」ではなく「エコノミー(経済体)」である点にあります。この柔軟な設計により、主権国家としての国際承認をめぐって摩擦が生じる台湾(チャイニーズ・タイペイ名義)や中国特別行政区である香港が、中国本土と同一のテーブルに着くことが可能となっています。
APECの理念は「開かれた地域主義」と「自主的かつ非拘束のコンセンサス方式」です。世界貿易機関(WTO)のような法的義務やペナルティを課さないため、一見すると実効性に欠けるように映ります。しかし、外務省関係者は「義務が課されないからこそ、主権が衝突する国家間でも本音の経済対話が成立する」と指摘します。APEC加盟国・地域の総人口は世界人口の約38%(約30億人)、GDPでは約62%を占めており、この巨大なマーケットの枠組みが機能不全に陥れば、世界的なサプライチェーンの断絶を意味します。
加盟各国の思惑は決して一枚岩ではありません。ハイテク分野の主導権と自国産業保護を急ぐアメリカ、経済威圧を否定しつつ「一帯一路」の結節点として東南アジアや南米を取り込みたい中国、その間でキャスティングボートを握ろうとするASEAN諸国、そしてロシアなど、互いの利害が激しく交錯しています。