紫苑の花言葉に隠された怖い真相?「君を忘れない」に涙する今昔物語
紫苑の花言葉に隠された怖い真相?「君を忘れない」に涙する今昔物語についての疑問解決ガイドをご紹介します。
紫苑の花言葉の真実を知るには、平安末期に成立した説話集『今昔物語集』(巻三十一第十八話)に記された物語を読む必要があります。そこには、怖さどころか人間の温かな真心が描かれていました。
昔、父親を亡くした二人の兄弟がいました。兄弟は深い悲しみに暮れながらも、兄は日々の公務の忙しさから悲しみを早く拭い去ろうと、墓前に萱草(かんぞう=忘れ草)を植えます。嫌なことや悲しい出来事を忘れたいという思いからでした。
一方、心優しい弟は「父への思慕の念を忘れてしまうことなど耐えられない」と、墓前に紫苑(しおん=思い草)を植え、何年経っても欠かさず墓参りを続けました。悲しみを忘れるのではなく、故人を慈しみ、記憶の中に留め続ける道を選んだのです。
この兄弟の様子をずっと見守っていた鬼(墓を守る霊)は、弟の献身的な孝行に深く心を打たれます。鬼は弟の枕元に立ち、「汝の優しい志に報いよう」と告げ、未来に起こる吉凶を夢で予知できる不思議な力を授けました。弟はその能力によって立身出世を果たし、幸せな生涯を送ったと伝えられています。
つまり「君を忘れない」の正体は、恐ろしい怨念などではなく、「どれほど時が流れても、大切な人を胸の中で想い続ける」という無償の愛と親孝行の誓いだったのです。