歯茎の膿を自分で出す危険性と真相!針で潰すリスクと正しい応急処置
歯茎の膿を自分で出す危険性と真相!針で潰すリスクと正しい応急処置にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
歯茎にできる膿の袋は、主に2つの病理的プロセスによって発生します。それぞれ原因菌の巣窟が異なるため、アプローチを誤ると症状は加速度的に悪化します。
第一の原因は、歯の神経が死んで根の先端に膿がたまる「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」です。過去の虫歯の放置や、以前行った神経の治療(根管治療)の不備、経年劣化により根管内で細菌が爆発的に増殖します。根の先端の骨(歯槽骨)を溶かしながら進行した膿は、出口を求めて骨を突き破り、歯茎の表面に白いニキビのような突起を作ります。これを専門用語で「フィステル(瘻孔/サイナストラクト)」と呼びます。フィステルは単なるできものではなく、骨の奥底にある感染巣から伸びた「膿の排出口の先端」にすぎません。
第二の原因は、重度の歯周病に伴う「歯周膿瘍(ししゅうのうよう)」です。歯と歯茎の境目にある歯周ポケットが6ミリ以上の深さに達すると、ポケットの奥深くに潜む嫌気性菌が急激に増殖します。疲労やストレスで体の免疫力が落ちた際や、ポケットの入口が汚れや仮歯で塞がれた際に膿の逃げ場がなくなり、歯茎が赤く大きく腫れ上がって強い拍動痛を伴います。
また、これらに伴って深刻化するのが「悪臭を放つ口臭の悪化」です。膿の成分は白血球の死骸と細菌の塊であり、特にポルフィロモナス・ジンジバリスなどの悪性嫌気性菌は、強烈な腐敗臭を持つ「メチルメルカプタン」や「硫化水素」などの揮発性硫黄化合物を大量に産生します。自分で膿を潰して口内にぶちまける行為は、その悪臭物質を口腔内全体に塗り拡げ、さらなる口臭トラブルを引き起こす行為そのものです。