本屋大賞2022全順位まとめ!同志少女の衝撃と傑作10選の現在地
本屋大賞2022全順位まとめ!同志少女の衝撃と傑作10選の現在地にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。
本作や2022年のランキングを振り返る際、ネット上の掲示板やSNSで時折見られる「『同志少女よ、敵を撃て』はロシア・ウクライナ情勢のタイミングが重なったから受賞できたのではないか?」という穿った見方は、明確な誤解です。
客観的なタイムラインを検証すると、逢坂冬馬氏が本作を執筆し第11回アガサ・クリスティー賞を満場一致の大賞で受賞したのは2021年夏のことです。単行本の発売は2021年11月であり、本屋大賞の一次投票(2021年12月〜2022年1月)の段階で、すでに全国の書店員から熱烈な支持を集めていました。ロシアによる軍事侵攻が起きた2022年2月24日より前に、本作は実力によってノミネートを確固たるものにしていたのです。
むしろ本作が提示していたのは、「戦争がいかに個人の尊厳を奪い、加害と被害の境界を曖昧にするか」という普遍的な反戦の思想でした。時事的な偶然が追い風になった側面は否定できないものの、作品そのものが内包していた文学的完成度と、痛烈な人間描写の強度がなければ、歴代屈指の獲得得点に至ることは決してありませんでした。