精神科と心療内科の決定的な違いは?症状別の見分け方と初診の落とし穴
精神科と心療内科の決定的な違いは?症状別の見分け方と初診の落とし穴とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を整理してお届けします。
受診先を選ぶ上で最も明快な境界線となるのが、「つらい症状の震源地が身体なのか、それとも感情や思考なのか」という点です。
日本心身医学会および日本精神神経学会の臨床指針をもとに、現場の専門医らが共通して挙げる選別の第一基準は「症状の現れ方」にあります。強いストレスや過労をきっかけに、胃潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)、原因不明のめまい、血圧の上昇、慢性的な頭痛といった器質的・機能的な不調が生じている場合は、心身の相関を専門とする心療内科が適しています。つまり、身体の不調を主訴とし、その背景に心理社会的ストレスが存在するケースです。
これに対し、以下のような状態が続く場合は精神科の領域となります。
- 理由もなく涙が出る、深い抑うつ気分から抜け出せない
- これまで楽しめていた趣味や仕事に対して一切の興味・意欲が失われた
- 「誰かに見張られている」「悪口が聞こえる」といった幻聴や強い妄想がある
- パニック発作や極度の強迫観念(鍵を閉めたか何度も確認して家を出られない等)がある
読者の相談で極めて多い「不眠」や「動悸」といった症状は、両科の境界線上に位置します。睡眠障害の背景に「仕事のプレッシャーで胃が痛くて眠れない」という身体反応が先行しているのか、あるいは「将来への不安で脳が覚醒し続け、憂鬱でたまらない」のかによって、治療のアプローチは変わってきます。身体の精密検査を終えて内科的異常がないと判定された上で、身体の悲鳴が止まらないなら心療内科、気分の沈下や思考停止が深刻なら精神科という切り分けが基本となります。