宇宙で一番大きい星は?太陽2150倍スティーブンソン2-18の全貌
宇宙で一番大きい星は?太陽2150倍スティーブンソン2-18の全貌について知っておくべき 理由を分かりやすい構成で解説いたします。
なぜ「一番大きい星」の名前は、時代によってこれほどめまぐるしく入れ替わってきたのでしょうか。その背景には、観測精度の向上と、超巨星特有の「測定の極めて高い難易度」が存在します。
2000年代初頭に宇宙最大の星として一世を風靡したのは、約3,900光年彼方にあるおおいぬ座VY星の大きさでした。当時は太陽の1,800倍から2,100倍という極端な推定値が発表され、ネットやメディアで大きな話題を呼びました。しかしその後の詳細なスペクトル解析と干渉計による観測により、周囲を取り巻く膨大な塵(ダスト)のヴェールを星本体と誤認していたことが判明。現在では太陽の約1,420倍程度へと落ち着いています。
その後、2010年代に王座を奪取したのが「たて座UY星」でした。一時は太陽の1,708倍と見積もられ、長らくトップに君臨していましたが、たて座UY星の現在の評価は大きく変化しています。欧州宇宙機関(ESA)の位置天文観測衛星「ガイア」がもたらした驚異的な精度の年周視差データ(DR2およびDR3)により、地球からの距離が従来の想定(約9,500光年)よりもかなり近い約5,100光年であることが判明したのです。
天体までの距離が近くなれば、同じ見かけの明るさを保つために必要な真の明るさ(光度)は小さくなり、結果として星の推定半径は太陽の約755倍へと大幅に下方修正されました。現在、たて座UY星は歴代トップ争いから脱落し、中堅どころの赤色超巨星として分類されています。観測機器の解像度が上がるたびに星の輪郭が厳密に切り分けられ、王座が交代していくプロセスそのものが、天文学の歩みそのものを物語っています。