「服に着られるな、自分を差し出せ」女優・渡辺真起子が語る、90年代インディーズカルチャーと表現の原点
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1980年代後半の日本は、空前の好景気に沸いていた。ファッション界もまた、きらびやかでゴージャスなDCブランドブームの真っ只中。しかし、そんなメインストリームの喧騒とは一線を画す場所で、新しい感性が産声を上げていた。渡辺真起子がモデル活動を本格化させたのは、まさにこの過渡期である。
当時のモデルに求められていたのは、どこか現実味のない、完璧にコントロールされた「美」だった。だが、彼女が放つ空気は違った。どこか不機嫌そうで、しかし強烈に惹きつける野生味。予定調和を嫌うデザイナーや写真家たちが、こぞって彼女を指名したのは必然だったと言える。彼女はただ服を着るのではなく、その服が持つ物語や、時にはその服が内包する矛盾さえも表現しようとしていた。