胃もたれを治す体勢、右向きは逆効果?医師が教える正しい寝方

胃もたれを治す体勢、右向きは逆効果?医師が教える正しい寝方とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

胃もたれを感じた際、「右側を下にして寝るべきか、それとも左側か」という問いに対する答えは、現在の胃の状態が「食べたものが胃に停滞している状態」なのか、それとも「胃酸が上がってきて胸が痛む状態」なのかによって明確に分かれます。この違いを理解する鍵は、胃の独特なカーブを描く解剖学的構造にあります。

人体において、胃はみぞおちから左上腹部にかけて位置し、アルファベットの「C」の字のように曲がった袋状の形状をしています。食道から胃への入り口である「噴門(ふんもん)」は上部やや右寄りにあり、胃の本体である「胃体部(いたいぶ)」は左側に大きく膨らみ、十二指腸へと続く出口の「幽門(ゆうもん)」は右下に位置しています。

食べ過ぎによって胃が重く、消化を最優先で早めたい場合は、右側を下にして横たわる「右側臥位(うそくがい)」が適しています。胃の出口である幽門が下側に位置するため、重力の作用によって胃内容物がスムーズに十二指腸へと送り出され、胃の排出機能が助けられます。

しかし、胸焼けや呑酸(どんさん:酸っぱい液体が口まで上がってくる感覚)を伴う胃酸逆流がある場合、右を下にして寝ると大きな危険が生じます。胃の入り口(噴門)が胃液の液面より低い位置になり、胃酸が食道へ一気に流れ込んで食道粘膜を傷つけてしまいます。この場合、左側を下にする「左側臥位(さそくがい)」を取るのが医学的な正解です。胃の大きな膨らみ(胃体部)が下に位置するため、胃液が溜まるポケットとなり、食道への逆流を物理的にせき止める防波堤の役割を果たします。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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