ビリー・アイリッシュ変貌の真相|体型批判と性的消費に抗う表現の現在
ビリー・アイリッシュ変貌の真相|体型批判と性的消費に抗う表現の現在に関する深掘り解説を詳しく解説いたします。
彼女が世界のポップアイコンとして急浮上した2010年代末、そのトレードマークは身体のラインを完全に隠すオーバーサイズのストリートウェアでした。当時、弱冠10代半ばだった彼女が徹底して体を覆い隠していた理由は明確です。2019年のカルバン・クラインのキャンペーン動画において、彼女は「誰も私に意見を言えないようにするため。中身が痩せているか太っているか、お尻があるかないか誰も知らないから」と告白しています。女性ポップアーティストに課せられがちな性的消費のサイクルから自らの身を守るための、極めて切実な自衛策でした。
しかし、2021年6月号の英『Vogue』誌において、そのイメージは鮮やかに覆されます。プラチナブロンドのヘアに、バーバリーやグッチがカスタムメイドしたタイトなコルセットとピンナップガール風のランジェリーを身に纏い登場した姿は、瞬く間に世界中を駆け巡りました。SNS上では「セクシー路線への転向」「従来のファンへの裏切り」と騒ぎ立てる声が噴出しましたが、当の本人が意図していたのは全く異なるメッセージでした。
同誌のインタビューでビリーは、「肌を見せようが見せまいが、それで敬意を失う筋合いはない」「自分が気分良くなれるなら何を着てもいい。コルセットで体を締め付けることが力を与えてくれるなら、それを着るべきだ」と力強く語っています。かつては他人の視線から逃れるために選んでいた服から、自分が着たいものを自分の意志で選ぶステージへと進化した瞬間でした。