筋トーヌスとは?筋緊張との違いと評価法・亢進低下の鑑別まとめ

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医療情報の発信や臨床議論の中で頻発している誤解が、「筋肉が硬いこと」と「筋トーヌスが高いこと」の混同です。この2つは病理的にも解剖学的にも明確に異なります。

筋の硬さには、細胞外マトリックスのコラーゲン増生や筋膜の癒着、筋節(サルコメア)の減少によって生じる「非神経性の生体力学的硬度(拘縮・短縮)」と、神経伝達の異常興奮による「神経性のトーヌス亢進」の2種類が存在します。どれほど筋腹がカチカチに硬くても、他動運動の速度を変えて抵抗が一切変化せず、腱反射も正常であれば、それは筋トーヌスの異常亢進ではなく組織の器質的拘縮に過ぎません。

もう一つの重大な盲点は、「痙縮を力任せにストレッチすれば解決する」という誤った思い込みです。痙縮の本態は速度依存性の伸張反射過活動であるため、強い力で急速に伸ばそうとすれば、かえってIa線維を強烈に刺激してα運動ニューロンを発火させ、筋トーヌスを急激に跳ね上がらせてしまいます(クローヌスや強い痛みの誘発)。リハビリテーションでは、持続的かつ低強度の伸張(持続的ストレッチング)や、拮抗筋の随意収縮を利用した相反性抑制(Reciprocal inhibition)を応用することが神経生理学的に理に適っています。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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