北欧パン全店閉店の真相と現在|ドンク譲渡の裏側と2026年の味の行方

北欧パン全店閉店の真相と現在|ドンク譲渡の裏側と2026年の味の行方にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

北欧パンの歴史を語る上で、インターネット上で最も頻繁に混同されているのが、「札幌発祥の元祖・北欧」と「首都圏の北欧トーキョー」の存在です。両者は起源を同じくしながらも、歴史の途中でまったく異なる道を歩んだ別法人でした。

ルーツとなったのは、1979年に北海道札幌市で創業した「株式会社北欧(後の北欧SSB等)」です。創業者の津山征夫氏らが北欧スカンジナビア諸国の本格的なパン作りを日本に広めようと立ち上げ、北海道内で瞬く間に大ヒットを記録しました。1980年代には札幌市西区にパン博物館を併設した巨大複合施設「北欧館」を建設するなど、北海道の食文化を牽引する一大ベーカリーチェーンへと成長しました。

この札幌の成功モデルに小田急電鉄が着目し、1988年に合弁会社として設立したのが「株式会社北欧トーキョー」です。しかしその後、札幌の創業家側と小田急電鉄の間で経営方針の違いが生じ、小田急電鉄が北欧トーキョーの株式を追加取得して完全子会社化。両社の資本関係は解消され、首都圏の北欧トーキョーは小田急グループの独自企業として自走を始めました。

一方、本家である札幌の北欧は、バブル崩壊後の過剰投資や道内市場の競争激化によって経営難に陥り、民事再生手続きやグループ再編を繰り返しました。そして2022年、首都圏の北欧トーキョーが全店閉店したのとほぼ同時期に、札幌市内に残っていた最後の店舗「北欧JR白石店」も閉店。2022年から2023年にかけて運営会社が破産手続きを行うなど、東西の「北欧」は図らずもほぼ同時期に実店舗の歴史に終止符を打つ形となりました。

「小田急が閉店しても北海道に行けば買える」という過去の言説は、現在では完全に誤りです。両法人が歩んだ数奇な運命を理解することこそが、北欧パンの歴史的文脈を紐解く最大の鍵となります。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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