飛蚊症の見え方と危険な前兆|網膜剥離のサインと受診目安【2026】
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眼球の内部は、卵白に似た透明なゼリー状組織である「硝子体(しょうしたい)」で満たされている。この硝子体は99%が水分で、残りのわずかなコラーゲン線維やヒアルロン酸が網目状の構造を保つことで眼球の球状を維持している。
加齢や近視が進むと、ゼリー状の硝子体は徐々にサラサラした液体へと変化する「液化」を起こす。水分が抜けて縮んだ硝子体の線維組織が寄り集まり、密度の高い濁りを形成する。この濁りが網膜に影を落とすことこそが、生理的飛蚊症と病的飛蚊症の真相を分ける基本構造である。
特に重要な転換期となるのが「後部硝子体剥離(PVD)」と呼ばれる現象だ。硝子体がさらに収縮すると、眼球の後壁である網膜に密着していた硝子体膜が剥がれ落ちる。この際、視神経乳頭の周囲に強固に張り付いていた円形の線維組織がちぎれて硝子体内を漂うようになる。これがいわゆる「ワイスリング(Weiss ring)」と呼ばれる輪っか状の影であり、患者が「急に目の前に黒い輪が出現した」と訴える主因である。
後部硝子体剥離自体は白髪やシワと同じ生理的な老化現象であり、病気ではない。だが、硝子体と網膜が剥離する際、もともと癒着が強かった部分の網膜が引っ張られて裂け、穴が開いてしまうことがある。これが網膜裂孔の初期症状と前兆に直結する。