生ハムとはどんな肉?生ではない製法の秘密と普通ハムとの違いを徹底解説
生ハムとはどんな肉?生ではない製法の秘密と普通ハムとの違いを徹底解説の疑問点について、専門知識を取りまとめてご紹介します。
美食の象徴である生ハムですが、日常の摂取にあたっては生ハムのカロリーと塩分、そして特定の健康リスクについて正確なリテラシーを持たねばなりません。
文部科学省の日本食品標準成分表によると、長期熟成生ハム100gあたりのエネルギーは約240〜280kcal、タンパク質は約24〜28gと非常に優秀な高タンパク質食品です。糖質はほぼゼロに近いため、糖質制限ダイエット(ケトジェニック)や筋肉増量期のスナックとしては極めて理にかなっています。しかし、最大のリスクファクターは食塩相当量です。生ハム100g中には約5.0g前後の塩分が含まれており、一般的なロースハム(約2.5g)の2倍以上に達します。厚生労働省が定める成人の1日あたり食塩摂取目標量(男性7.5g未満、女性6.5g未満)を考慮すると、スライス数枚(約30〜40g)で1日の塩分許容量の約3分の1を消費してしまう計算になります。
さらに、医学的見地から最も重大な警告を発すべきなのが、生ハム妊娠中トキソプラズマ感染の危険性です。
トキソプラズマ原虫は豚や羊などの筋肉組織内に寄生胞(シスト)として潜んでいる可能性があります。通常、健常な成人が感染しても軽い風邪症状や無症状で済みますが、妊娠中に妊婦が初感染した場合、胎盤を通じて胎児へと垂直感染するリスクが生じます。その結果、胎児に先天性トキソプラズマ症(水頭症、脈絡網膜炎、小頭症、知的発達障害など)を引き起こす深刻な脅威となり得ます。
国内外の公衆衛生機関や日本産婦人科医会のガイドラインにおいて、生ハムやサラミ、レバーパテなどの非加熱食肉製品は、「妊娠期間中は喫食を控えるべき食品リスト」の筆頭に挙げられています。塩漬けや乾燥を経てもシストが完全に不活化されていないケースがあり、またリステリア・モノサイトゲネス(食中毒菌)による流産・早産リスクも排除できません。もし妊娠中に生ハムを口にする場合は、中心部まで完全に火を通す(中心温度67℃以上、または肉の赤みが完全に消えるまでのグリル)加工が絶対に不可欠です。