ピザの耳を残すのはマナー違反?本場の真相と「育ちが悪い」論争を検証
ピザの耳を残すのはマナー違反?本場の真相と「育ちが悪い」論争を検証について見逃せない ポイントを分かりやすく解説いたします。
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ネット上で頻繁に飛び交うのが「本場イタリアではピザの耳を残すのが正式なマナーである」という言説です。この噂の真偽を確かめるためには、イタリアにおけるピッツァの歴史と構造を紐解く必要があります。
イタリア、とりわけピッツァ発祥の地であるナポリにおいて、ピザの縁の盛り上がった部分は「コルニチョーネ(Cornicione=額縁)」と呼ばれます。ナポリピッツァの正しい食べ方において、このコルニチョーネは決して不要なゴミではなく、ピッツァ職人(ピッツァイオーロ)が生地の発酵状態や焼き加減の腕前を示す最も神聖なエリアと位置づけられています。
では、なぜ「イタリア人は耳を残す」という説が広まったのでしょうか。背景には2つの歴史的・実用的な要因があります。
1つ目は、かつて薪窯の灰や煤(すす)がピッツァの縁に付着しやすかった時代、あるいは手づかみで食べる際の「持ち手」として機能していた名残です。2つ目は、イタリアのピッツェリアでは1人1枚が基本単位であり、生地のボリュームが極めて多いため、少食な人や子供が具材の乗った中心部を優先して食べ、結果として耳を残す光景が日常的に見られる点にあります。
つまり、イタリア現地において「お腹がいっぱいで耳を残すことは許容されている」ものの、「残すこと自体が正統なマナーや推奨事項である」というのは明確な誤認です。職人への敬意を重んじるトラットリアや高級ピッツェリアでは、丹精込めて発酵させたコルニチョーネまで美味しく平らげることが最大の賛辞とされています。