池江璃花子の白血病と現在|過酷な闘病から奇跡の復活を遂げた軌跡
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歯車が狂い始めたのは、2019年1月中旬、オーストラリア・ゴールドコーストでの代表合宿でした。前年にジャカルタ・アジア大会で日本人初となる6冠を達成し、最優秀選手(MVP)に輝いた池江選手にとって、五輪前年の重要な強化期間でした。しかし、現地のプールで彼女を襲ったのは、これまでに経験したことのない異様な倦怠感と呼吸の乱れでした。
関係者の証言や当時の取材記録によると、池江選手は水中で「体が鉛のように重く、浮かない」「肩で息をしなければ耐えられない」という激しい息切れを訴えていました。普段なら軽々とクリアできる設定タイムから数秒以上遅れる異変が続き、当初疑われた疲労や風邪の域を明らかに超えていたのです。これが、後に判明する池江璃花子の白血病の初期症状でした。白血病によって正常な赤血球が急激に減少し、重度の貧血状態に陥っていたことが、激しい動悸や呼吸困難を引き起こしていました。
事態を重く見た首脳陣と帯同ドクターは合宿の継続を断念させ、予定を切り上げて緊急帰国を決定。都内の高度医療機関で血液検査を受けた結果、骨髄内で異常な白血病細胞が増殖していることが確認され、直ちに緊急入院となりました。公表された「白血病」という病名に対し、日本水泳連盟の会見では関係者が声を詰まらせ、列島に大きな衝撃が広がりました。