麻織物の最高峰「近江上布」の魅力と着物相場|極上の涼しさを生む技法の真実
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近江上布の歴史は古く、鎌倉時代に京都から職人が近江の地(現在の滋賀県愛荘町・東近江市・彦根市周辺)に移り住み、麻織物の技術を伝えたことが起源とされています。室町時代には「高宮布(たかみやふ)」の名で全国に知れ渡り、江戸時代には彦根藩の保護のもと、幕府への献上品として格別の扱いを受けました。
滋賀県湖東地域が麻織物の一大産地へと発展した背景には、地理的・気候的な恩恵があります。鈴鹿山系から湧き出る豊かな軟水と、琵琶湖からもたらされる適度な湿度は、乾燥に弱く切れやすい麻糸を繊細に紡ぎ、織り上げるために不可欠な環境でした。昭和52年(1977年)にはその卓越した技術と歴史的価値が認められ、国の伝統的工芸品として正式に指定されています。