橋本龍太郎元首相の死因と最期|腹部大動脈瘤から急変した闘病の真相
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橋本龍太郎氏の命を奪った直接の死因は多臓器不全です。しかし、そこに至る臨床経過は極めて過酷かつ複雑なものでした。事の発端は、2006年6月4日に突如発症した激しい腹痛による緊急入院でした。
搬送先の病院で下された診断は腹部大動脈瘤の切迫破裂の疑いでした。大動脈瘤とは、心臓から全身へ血液を送る太い血管の壁が脆くなり、コブのように膨らんでしまう病態です。破裂すれば大量出血により即座に生命危機に直結するため、医療チームは直ちに人工血管置換術を執刀しました。
手術自体は成功したかに見えましたが、その直後に恐ろしい合併症が襲いかかります。それが腸管虚血でした。大動脈の手術に伴う血流変化や血栓の影響によって腸への血流が途絶え、広範な大腸および小腸組織が壊死に陥るという極めて重篤な事態が発生したのです。壊死した腸から細菌や毒素が血管内へと流れ出し、全身の免疫反応が暴走する敗血症性ショックを誘発。心臓、肝臓、腎臓など主要な臓器が連鎖的に機能を停止する多臓器不全へと進行していきました。