日本一画数が多い漢字は84画の「たいと」?苗字実在の真相と難読文字の現在
日本一画数が多い漢字は84画の「たいと」?苗字実在の真相と難読文字の現在の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
机上の珍奇な文字だけでなく、私たちが実際に社会生活で遭遇する難読・多画数漢字の生態にも目を向けてみましょう。ここで重要になるのが、「常用漢字の壁」と「商業的ブレイクスルー」の対比です。
現在、文化庁が定める常用漢字表(2,136字)の中で最も画数が多い漢字は、総画数29画の「鬱(うつ)」です。2010年の常用漢字改定によって追加されたこの文字は、かつては難読・難書漢字の代表格でした。「リンカーンはアメリカの軍艦(木・缶・木・一・火・鬯・彡)で鬱になった」といった語呂合わせの覚え方が流行したことからも、その複雑さがうかがえます。常用漢字の第2位は「鑑(23画)」ですから、29画の「鬱」はいかに突出しているかが分かります。
一方で、近年において「画数の多さ」を最大のプロモーション武器として社会現象にまで押し上げたのが、57画の「ビャンビャン麺」の「ビャン」です。中国陝西省の郷土料理である幅広麺を指すこの漢字は、長らく民間の俗字として扱われ、活字や電子機器で表示できない文字の代表でした。
しかし、大手コンビニエンスストア各社が麺料理として商品化し、テレビの情報番組やSNSで「書けないけど美味い謎の文字」として拡散されたことで知名度が爆発。さらには国際的な文字コード規格であるUnicode 13.0(2020年リリース)に正式収録されたことで、パソコンやスマートフォンでも表示できるようになりました。実用性ゼロの奇字から、食文化のアイコンとして世界規格のデジタルコードを勝ち取った稀有な成功例と言えます。