まぐろとさば、本当に体にいいのはどっち?Dhaと水銀リスクの真相を徹底比較
まぐろとさば、本当に体にいいのはどっち?Dhaと水銀リスクの真相を徹底比較に関する疑問を丁寧にまとめました。詳細な解説をご覧ください。
魚食のメリットを語る上で、決して覆い隠してはならないのが生体濃縮による有害物質リスクと生活習慣リスクです。インターネット上では「魚は食べれば食べるほど健康になる」という盲信や、逆に「大型魚は毒の塊」という極端な言説が散見されますが、現場のデータはより精緻な判断を求めています。
最大の懸念事項であるメチル水銀について、厚生労働省のガイドラインは明確な注意喚起を行っています。生態系の頂点に近い大型回遊魚であるクロマグロ(本まぐろ)、メバチマグロ、ミナミマグロなどは、小魚を大量に捕食する過程で水銀を体内に蓄積します。成人健常者であればセレンによる解毒能が働くため過度な心配は不要ですが、胎児の神経系発達に影響を及ぼす可能性があるため、妊婦や妊娠の可能性がある女性はクロマグロの摂取量を週に約80g(刺身1人前程度)までに抑える必要があります。
一方、さばは海洋生態系の中でプランクトンや小型甲殻類を主食とする下位〜中位の生物です。そのため生体濃縮の度合いが極めて低く、厚生労働省の摂取制限対象にも指定されていません。子どもから高齢者、妊娠中の方まで、水銀蓄積の心配なく週に何度でも食卓に載せられる安全性は、さばが持つ隠れた優位点です。なお、ツナ缶に使われるキハダマグロやビンナガマグロ、カツオは大型まぐろに比べて水銀含有量が大幅に低いため、缶詰に関しては過剰な恐怖を抱く必要はありません。
もう一つの盲点は、尿酸値と痛風リスクに関わる「プリン体」です。痛風を警戒する層において、一般的に青魚は高プリン体食品として恐れられがちです。実際の数値を比較すると次のようになります。
- まさば(生):100gあたり約120〜130mg(中程度)
- クロマグロ(赤身):100gあたり約150〜160mg(やや高め)
- かつお:100gあたり約210mg(高値)
驚くべきことに、赤身まぐろの方がさばよりもプリン体含有量が高い傾向にあります。筋肉密度の高い赤身組織は細胞数が多く、核酸(プリン体)の密度が上がるためです。尿酸値が気になる方が「青魚は危ないからまぐろ赤身ばかり食べる」という選択を取るのは、栄養学的にはむしろ逆効果を招く盲点と言えます。