ローテーターカフとは?肩の激痛の正体と四十肩との違いを徹底解明

ローテーターカフとは?肩の激痛の正体と四十肩との違いを徹底解明について押さえておきたい ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

外来を訪れる患者の多くが「ただの五十肩だと思っていた」と口を揃えます。しかし、病理学的にも運動機能的にも、両者には明確な一線が引かれています。

四十肩・五十肩の正式名称は「肩関節周囲炎」であり、関節を包む関節包全体に炎症が広がり、最終的に癒着して関節が固まる(拘縮する)病態です。対してローテーターカフ損傷(腱板損傷・断裂)は、腱そのものの物理的な損傷や擦れ切れを指します。最大の違いは、「他人の手を使って腕が上がるかどうか」という点に現れます。

診断・比較項目ローテーターカフ損傷(腱板断裂)四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)臨床現場での判断基準他動運動(他人が支えて挙上)ほぼ真上まで上がる(痛みを伴う場合もあるが拘縮がなければ動く)途中でロックがかかり上がらない(関節包の癒着による制限)他動可動域が保たれているかが最重要鑑別点自動運動(自力での挙上)途中で力が抜ける、支えられない(筋力低下、ドロップアーム兆候)痛くて上がらないが、上がるところまでは硬い感覚腱の連続性が途切れているため力が入らない痛みの出る角度60〜120度の間で激痛、それを超えるとスッと上がる(ペインフルアーク)動かし始めから動かせる限界域まで終始鈍痛・つっぱり感骨と腱が挟み込まれる衝突現象(インピンジメント)の有無夜間痛の出方患側を下にして寝ると激痛、仰向けでも深部にズキズキ走る痛みが続く急性期は強いが、拘縮期(数ヶ月後)に入ると夜間痛は徐々に減退半年以上激しい夜間痛が持続する場合は腱板断裂を強く疑う好発年齢・性別50〜70代(肉体労働歴、スポーツ歴がある男性にやや多め)40〜50代(男女比に大きな偏りはなし)加齢とともに腱の血流低下・変性が進行することが背景

整形外科の診察室で医師が患者の腕を持ち上げたとき、患者自身の力では上がらないのに、医師が支えると「痛いけれど上まで届く」という反応が出た場合、専門医は五十肩ではなくローテーターカフ損傷を疑います。この鑑別を誤ったまま「固まらないように無理やり回せ」と指導する民間療法を受けると、断裂部がさらに引き裂かれ、取り返しのつかない重症化を招く危険があります。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest