旧マッケンジー邸の全貌|ヴォーリズ建築の最高峰と見学法を徹底解説

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静岡の近代産業史を語る上で欠かせない存在が、貿易商のダンカン・J・マッケンジーと妻エミリーです。夫妻は1900年代初頭から静岡茶の対米輸出ビジネスで大きな成功を収め、地域経済の発展のみならず、乳児院の支援など社会福祉活動にも多大な私財を投じました。

静岡市文化財課の記録によると、この邸宅が駿河湾を臨む高松の地に完成したのは1940年(昭和15年)のことです。太平洋戦争開戦の前年という極めて緊迫した時代背景の中、アメリカ出身の宣教師・建築家であるウィリアム・メレル・ヴォーリズの手によって設計されました。日米関係の悪化に伴い、夫妻は一時的に日本を離れることを余儀なくされ、戦時中は旧日本軍、戦後はGHQによる接収という過酷な運命を辿ることになります。

戦後、静岡を愛してやまなかったエミリー夫人は再びこの地へと戻り、余生をこの美しい邸宅で過ごしました。1972年に夫人が亡くなった際、「静岡市民のために役立ててほしい」という遺志により敷地と建物が静岡市へ寄贈。1997年にはその高い歴史的・芸術的価値が認められ、国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。激動の昭和史を生き抜いた洋館は、現在も静岡市駿河区の観光と歴史教育を象徴する生きた遺産として保存されています。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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