点滴の血の逆流は大丈夫?焦る理由と危険性・正しい対処法を徹底解説

点滴の血の逆流は大丈夫?焦る理由と危険性・正しい対処法を徹底解説について見逃せない 事実を分かりやすく解説いたします。

ネット上のQ&AサイトやSNSでは、点滴の逆流にまつわる極端な憶測や誤った「民間療法的な自力対処法」が散見されます。それらの多くは医学的な根拠を欠いており、かえって事態を悪化させる要因となっています。現場の看護師取材や医療指針をもとに、代表的な3つの誤解を正しく解体します。

誤解1:「逆流した血をそのまま血管に戻すと血栓が脳に飛んで危険?」

患者が最も怯えるのが「ルートに逆流した血が固まり、それが点滴の再開とともに血管に押し戻されて脳梗塞や心筋梗塞を起こすのではないか」という点です。しかし、逆流して間もない(数分以内の)サラサラとした血液であれば、点滴バッグの高さを戻して薬剤と一緒に血管内へ再注入されても全く問題ありません。もともと患者自身の血管内にあった血液成分であり、異物ではないからです。問題となるのは「長時間放置されて完全にゼリー状に固まった血栓」ですが、看護師はその状態を目視で判断できます。凝固が疑われる場合は生理食塩液で無理に押し込むことはせず、シリンジで引いて逆血を確認するか、安全を期してルートごと差し替えます。

誤解2:「チューブに空気が数センチ入っているから死んでしまう?」

サスペンスドラマなどの影響で「点滴にわずかでも空気が入ると空気塞栓で即死する」と信じ込んでいる人が少なくありません。しかし、医学的に成人が致死的な空気塞栓症を起こす空気量は約100〜200mL以上(注射器数本分の大量の空気)とされています。点滴ルート内に生じる数ミリ〜数センチ程度の小さな気泡(0.1〜1mL未満)は、肺の毛細血管で自然に吸収・代謝されるため、即座に死に至るようなことはありません。もちろん医療安全上、空気は混入させないのが大原則ですが、過度なパニックに陥る必要はありません。

誤解3:「自分でチューブをしごいて(ミルキング)血を戻せば大丈夫?」

これは患者や面会に来た家族が絶対にやってはいけない最悪のNG行動です。チューブを指で挟んで針側へギュッとしごく(ミルキング)行為を行うと、チューブ内の圧力が瞬間的に異常高圧に達します。もし針の先端に小さな血塊(血栓)ができていた場合、その血栓を勢いよく深部静脈へ打ち込んで塞栓症を誘発したり、細い末梢血管を破裂させて激痛と皮下血腫を引き起こす決定的な原因になります。

森 瞳

森 瞳

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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