利益準備金とは?積立義務の理由と計算式・資本準備金との違いを解説
利益準備金とは?積立義務の理由と計算式・資本準備金との違いを解説の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
実務現場で最もミスが発生しやすいのが、配当に伴う利益準備金の計算方法です。計算式は法律で厳密に定義されており、2つの金額を算出していずれか小さい方の金額を採用します。
積立基準となる計算式は次の通りです。
【利益準備金の積立計算式】 積立額 = 次の①と②のいずれか小さい金額
① 配当額の10分の1(配当額 × 10%)
② 利益準備金積立限度額(資本金 × 1/4 - [既存の資本準備金 + 既存の利益準備金])
このルールは会社法計算規則第22条に明記されています。計算手順を具体的なモデルケースに当てはめて検証してみましょう。
ケーススタディ:限度額に達していない場合
会社の財務状況が以下のようなケースを考えます。
- 資本金:1,000万円(資本金の4分の1 = 250万円)
- 既存の資本準備金:100万円
- 既存の利益準備金:50万円(準備金合計 = 150万円)
- 今回の配当額:300万円
判定作業は次の2ステップで進めます。
- 基準①(配当の10分の1):300万円 × 1/10 = 30万円
- 基準②(積立限度額までの残枠):250万円 - 150万円 = 100万円
①の30万円と②の100万円を比較すると、小さい方は①の30万円です。したがって、この期に積み立てるべき利益準備金は30万円となります。
ケーススタディ:限度額の「枠」が残りわずかな場合
では、同じ資本金1,000万円で、既存の準備金合計がすでに240万円あった場合はどうなるでしょうか。配当額が同じく300万円だとします。
- 基準①(配当の10分の1):300万円 × 1/10 = 30万円
- 基準②(積立限度額までの残枠):250万円 - 240万円 = 10万円
この場合、小さい方の金額は②の10万円です。配当額の10分の1である30万円を積み立ててしまうと、資本金の4分の1(250万円)をオーバーしてしまうため、枠いっぱいの10万円のみを積み立てれば法定義務を満たします。