世界一速い乗り物とは?時速3.9万キロの有人記録と歴代最速の真相
世界一速い乗り物とは?時速3.9万キロの有人記録と歴代最速の真相とは一体何なのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。
乗り物の速度を公平に評価するためには、走行・飛行する媒体(地上、レール、大気圏、宇宙空間)ごとにカテゴリーを細分化して比較する必要があります。それぞれのフィールドで人類が築き上げた極限のレコードは以下の通りです。
1. 宇宙空間(有人):アポロ10号有人宇宙船最高速度(時速3万9,897キロ)
前述の通り、有人宇宙船としてアポロ10号が記録した時速3万9,897キロが全乗り物の頂点に君臨しています。地球の重力圏を脱出し、再び突入する際に発生する重力加速と軌道力学が生み出した驚異的な数値です。
2. 航空機(実用ジェット機):SR-71ブラックバード最高時速(時速3,529キロ)
大気中を空気吸入型エンジンで自力飛行した実用ジェット機として、米ロッキード社が開発した超音速偵察機「SR-71ブラックバード」が王座を保持しています。1976年に樹立した公式記録は時速3,529キロ(マッハ3.3)。機体表面が空気摩擦熱で300度を超えるため、機体全体を耐熱チタン合金で成形し、熱膨張を見越して地上駐機時には燃料がわずかに漏れ出すよう設計されていたという伝説的なエンジニアリングの結晶です。実験機を含めれば、ロケット推進のノースアメリカン「X-15」が1967年にマッハ6.70(時速7,274キロ)をマークしています。
3. 地上特殊車両:スラストSSC超音速自動車(時速1,228キロ)
地上を車輪で走行するマシンとして、世界で初めて公式に音速の壁を打ち破ったのが英国の「スラストSSC」です。1997年10月、アメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠において、英空軍パイロットのアンディ・グリーン氏の操縦により時速1,228.31キロ(マッハ1.02)を記録しました。戦闘機用のロールスロイス製スペイ・ターボファンエンジンを2基積んだ異形の車体は、走行時に凄まじい衝撃波(ソニックブーム)を砂漠に轟かせました。
4. 市販量産車:世界一速い車最高速度(時速490.48キロ)
市販車ベースのプロトタイプおよび量産型ロードカーの頂点争いでは、ブガッティ「シロン スーパー スポーツ 300+」が2019年にドイツのテストコースで時速490.48キロを達成。現在はケーニグセグ「ジェスコ・アブソリュート」やヘネシー「ヴェノムF5」などが時速500キロの大台突破を射程に収めています。
5. 鉄道軌道:リニアL0系鉄道世界記録(時速603キロ)
レール上を走る地上交通システムにおいて、世界の最前線に立つのは日本の技術です。JR東海が開発を進める超電導リニア「L0系」は、2015年4月21日に山梨リニア実験線での有人走行試験において時速603キロを達成し、鉄道における世界最速記録としてギネス認定を受けました。