変わる世田谷の光と影、二子玉川と三軒茶屋が示す新・居住戦略
話題沸騰中の 変わる世田谷の光と影、二子玉川と三軒茶屋が示す新・居住戦略について、主要な情報を分かりやすく掲載しています。
整然と区画された再開発エリアの対極に位置するのが、三軒茶屋特有の猥雑なエネルギーだ。東急田園都市線と世田谷線が交差するこの場所には、巨大な資本の論理だけでは決して割り切れない土着のコミュニティが今なお息づいている。
三角地帯の路地に足を踏み入れれば、戦後の残り香を漂わせる木造建築に、若い世代が手掛けたクラフトビールバーや個性的な古書店が同居する。新旧の住民がカウンターで肩を並べ、見知らぬ同士が杯を交わす光景は、都心ではもはや絶滅危惧種となりつつあるものだ。ここでは、人と人との距離感が良い意味で狂っている。
「綺麗すぎる街には住みたくない。少し埃っぽくて、何が起きるか分からない隙間があるからこそ三茶は面白い」。古着屋を営む店主は笑う。駅前再開発の足音が近づく中でも、この街の住民たちは路地裏に宿る「不完全な豊かさ」を必死に守り抜こうとしている。その強烈な熱気こそが、若いクリエイターや単身者を惹きつけてやまない最大の要因だ。