『ケーキの切れない非行少年たち』が暴いた境界知能の真実と現場の闇

『ケーキの切れない非行少年たち』が暴いた境界知能の真実と現場の闇にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

発売当初、多くの読者に戦慄を与えたのが、書籍のタイトルにもなった「丸いケーキを3等分できない」というエピソードです。児童精神科医である宮口幸治氏が医療少年院に赴任した際、凶悪犯罪に手を染めた少年たちに簡単な心理検査や図形模写を課したところ、信じがたい光景が次々と目の前で繰り広げられました。

少年たちに「ここに丸いケーキがあります。3人で同じ大きさに分けて食べてください」と指示すると、ベンツのロゴマークのように中心から3方向に均等な線を引くことができません。円を縦に真っ二つに割った後、右半分だけをさらに横に2分割して「これで3つ」と答えたり、円の外側に無意味な線を書き足してしまったりするのです。彼らはふざけているのではなく、極めて真剣に悩み、冷や汗を流しながらその作業を行っていました。

宮口氏が著書の中で明かした衝撃の事実、それは「彼らは見る力、聞く力、想像する力が極端に弱く、周囲の人間が見ている世界とは全く異なる歪んだ世界を生きている」という現実でした。複雑な図形を正確に見写すことができず、相手の表情から感情を読み取ることもできず、自分が数分後にとる行動がどんな結果を招くのかすら予測できない状態のまま、社会の中で追い詰められていったのです。

『ケーキの切れない非行少年たち』のあらすじや内容がこれほどまでに社会的な反響を呼んだ理由は、「非行の原因は家庭環境や道徳心の欠如にある」と信じ込んでいた世間の常識を根底から覆した点にあります。悪意ではなく「脳の機能的な認知の弱さ」が少年たちを犯罪へと滑り落ちさせていたという理由と真相は、教育関係者や子育て世代に計り知れない衝撃を与えました。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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