在宅ホスピス医・萬田緑平の現在と評判|看取りの現場で貫く覚悟と真実

在宅ホスピス医・萬田緑平の現在と評判|看取りの現場で貫く覚悟と真実にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

萬田緑平 経歴を紐解く上で、外科医時代の葛藤は避けて通れない原点です。1964年、群馬県前橋市に生まれた萬田氏は、群馬大学医学部を卒業後、消化器外科医として研鑽を積みました。当時の医療現場は、がんを徹底的に切除し、強力な抗がん剤を投与して「1日でも長く生かすこと」が絶対的な正義と信じられていた時代です。萬田氏自身も手術手技の向上に没頭し、年間数百件もの症例に向き合っていました。

しかし、手術の成功と患者の幸福が必ずしも比例しない過酷な現実に直面します。がんが再発・転移し、もはや根治が望めなくなった患者に対し、当時の総合病院では「これ以上できる治療はありません」と告げ、終末期を機械につながれたまま孤独に病院死へ追いやる構造が常態化していました。当時の特番インタビューや自著・手記で語られた「自分は病気を治すことばかりに目を奪われ、目の前にいる『人間』を救えていなかったのではないか」という生の告白は、萬田氏が抱えた深い罪悪感と痛烈な自戒を物語っています。

「病院の中で、苦痛に耐えながら天井を見つめて逝くのではなく、住み慣れた自宅で家族と笑いながら逝く道はないのか」。その強烈な問題意識から、山梨県で在宅ホスピスを実践していた内藤いづみ医師らの活動に触発され、2008年に約16年間続けた外科医生活に終止符を打ちました。地位も安定した立場も脱ぎ捨て、故郷である群馬県前橋市 緩和ケアの空白地帯へ単身飛び込んだ背景には、「人生の最期を自らの手に取り戻してほしい」という揺るぎない覚悟がありました。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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