馬酔木(あしび)の毒性と花言葉の真相|万葉集から庭木の注意点まで解説

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馬酔木は古代から現代に至るまで、日本人の美意識や文学と深く結びついてきました。『万葉集』には馬酔木を詠んだ歌が10首収められており、その中でも最も有名なのが、謀反の疑いをかけられて24歳の若さで非業の死を遂げた大津皇子(おおつのみこ)の辞世の歌とされる一首です。

「磯の上に 生ふる馬酔木を 手折らめど 見すべき君が ありと言はなくに」
(万葉集 巻二・166 / 大津皇子)

【現代語訳】水辺の岩の上に咲いている美しい馬酔木を手折って見せたいと思うけれど、見せてあげたいあなたはもうこの世にはいないと言われているのに……。

死を目前にした皇子が、姉である大来皇女(おおくのひめみこ)への思慕と自らの無念を重ねたこの歌によって、「あしび」は儚さと哀切を象徴する文学的植物としての地位を確立しました。

時代が下り、近現代文学においても馬酔木は重要な役割を果たします。俳句の世界において「馬酔木(あしび/あせび)」は春(仲春)の季語であり、白やピンクの小花が房状に垂れる情景は多くの俳人に愛されてきました。

特に昭和初期、俳人の水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)が主宰した俳誌『馬酔木』は、高浜虚子の「客観写生」一辺倒だった当時の俳壇に反旗を翻し、主観的な叙情性と色彩美を追求した「新興俳句運動」の拠点となりました。冷ややかな毒を持ちながら凛として咲く馬酔木の姿は、文芸革新の旗印にふさわしい象徴だったと言えます。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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