歴史を紡ぐモダニズム建築「国立京都国際会館」未公開の設計秘話
今注目を集めている 歴史を紡ぐモダニズム建築「国立京都国際会館」未公開の設計秘話について、詳しいまとめをご紹介しています。
1963年、日本建築界の未来を占う一大コンペが実施された。建築界の巨匠である丹下健三をはじめとする著名建築家たちが名乗りを上げるなか、最優秀賞に輝いたのは大谷幸夫の案だった。当時、東京大学助教授だった大谷の設計は、日本伝統の合掌造りや合掌組の木造構造を現代的な鉄筋コンクリートへと昇華させた画期的なものだった。
斜めに傾斜した独特の壁面と、台形を組み合わせた断面形状。それは単なる美しさの追求ではない。宝ヶ池の自然景観や背景に聳える山並みと建築をどのように一体化させるかという、緻密な意匠の謎に対する解答だった。日本建築学会からも高く評価されたこの造形は、モダニズム建築の美徳と伝統的美意識が完璧な均衡を保っている。近年になって明かされた設計の手記によれば、大谷は「人が集い、対話するための民主的な広場」を建築として具現化することに徹底して拘っていたという。