縦笛の種類と音域一覧|小中学校の違いから尺八・民族楽器まで徹底比較

縦笛の種類と音域一覧|小中学校の違いから尺八・民族楽器まで徹底比較に関する深掘り解説を詳しく解説いたします。

日本で義務教育を受けたほぼすべての人が直面する疑問が、「なぜ小学校ではソプラノリコーダーだったのに、中学校に上がるとわざわざ大きくて指使いが違うアルトリコーダーを買い直すのか?」という点です。さらにややこしいことに、リコーダーにはジャーマン式(ドイツ式)とバロック式(イギリス式)という2つの規格が存在します。

文部科学省の学習指導要領解説や音楽教育の現場資料によると、この違いには児童生徒の「身体発育」と「音楽理論の習得」に基づいた極めて合理的な教育的背景が存在します。

1. 小学校がソプラノ・ジャーマン式を採用する理由

小学校3年生から導入されるリコーダーにおいて、最大の課題は「子どもの手の小ささ」です。低学年〜中学年の児童の手では、管長約48cmのアルトリコーダーの指穴を正確に塞ぐことが物理的に困難です。そのため、小型で扱いやすいソプラノリコーダー(約33cm)が選ばれます。

さらに、小学校で広く配備されるのは「ジャーマン式」です。この方式は、1920年代のドイツでピーター・ハーランという製作者が教育用に開発したもので、ハ長調の音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド)を演奏する際、指を順番に1本ずつ離していくだけで「ファ」の音が出るように第5孔(下から4番目の穴)が小さく設計されています。クロスフィンガリング(指を交差させる運指)を必要としないため、初心者でも直感的に童謡や単純な旋律を吹くことができます。

2. 中学校でアルト・バロック式へ移行する必然性

では、なぜ中学校ではその便利なジャーマン式を捨てて、わざわざアルトのバロック式を導入するのでしょうか。理由は大きく2つあります。

  1. 声域と合奏の調和:中学生になると男子の変声期が始まり、学級全体の合唱音域が下がります。澄んだ高音のソプラノリコーダーは生徒の歌声から浮いてしまいがちですが、温かみのある中低音を奏でるアルトリコーダー(F管)は、中学生の混声合唱と絶妙に調和します。
  2. 半音階(シャープやフラット)の音程精度:ジャーマン式はハ長調の「ファ」を簡単にした代償として、派生音(F#やG#など)のピッチが著しく不安定になるという致命的な音響的弱点を抱えています。中学校の音楽ではバロック音楽やクラシック、転調を含む高度な合奏曲を学ぶため、半音階の音程が正確に保たれる本来の「バロック式(イギリス式)」への移行が不可欠となるのです。

見分け方は簡単で、リコーダーの裏側に刻印された「G(ジャーマン)」または「E(イングリッシュ=バロック)」の文字を確認するか、表側の上から5番目の穴が4番目より小さければジャーマン式、大きければバロック式と判別できます。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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