鬼才・大島渚の真実|タブーへの挑戦と妻・小山明子と歩んだ激動の生涯

鬼才・大島渚の真実|タブーへの挑戦と妻・小山明子と歩んだ激動の生涯の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。

1976年、大島渚は世界映画界を揺るがす問題作『愛のコリーダ』を発表します。阿部定事件をモチーフに男女の極限の性愛を描いた本作は、日本の厳しい検閲を避けるため、未現像フィルムをフランスに送って現地で現像・編集を行う「フランス映画」としての逆輸入体制を構築しました。

カンヌ国際映画祭監督週間で絶賛を浴びる一方、日本国内では関連書籍の写真やテキストが刑法175条のわいせつ物頒布罪に問われ、大島監督と出版社社長が起訴される愛のコリーダ裁判へと発展します。約6年に及ぶ法廷闘争の末、1979年の東京地裁判決、1982年の東京高裁判決ともに「性表現が思想・芸術的表現と一体不可分である」として無罪を勝ち取り、表現の自由の歴史に大きな金字塔を打ち立てました。

続く1983年の『戦場のメリークリスマス』では、ジャワ島英軍俘虜収容所を舞台に、男たちの精神的・文化的な相克を鮮烈に描写。プロの映画俳優ではなく、音楽家の坂本龍一と漫才師のビートたけし(北野武)、ロックスターのデヴィッド・ボウイをメインキャストに抜擢するという破格の演出を敢行しました。当時のインタビューで坂本龍一は「劇伴音楽も担当させてもらえるなら出演する」と条件を出し、大島が即座に快諾した逸話を明かしています。結果として映画は興行・批評の両面で大成功を収め、坂本龍一が手がけたテーマ曲『Merry Christmas, Mr. Lawrence』は不朽の名曲として世界中で愛され続けています。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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