平民宰相の殺害に秘められた闇 東京駅暗殺事件と政党政治の真相
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元老として軍部と官僚機構に絶対的な影響力を誇った山県有朋と、政党の力で権威に対抗した原敬。この二人の巨頭による相克と暗闘こそが、大正期の政治動向を決定づけた最大の軸である。山県は政党による政権担当を深く警戒し、軍部の独立性や長州藩閥の利権を守ろうと死力を尽くした。
だが、原は山県との真っ向勝負を避けつつ、時として山県の意向を部分的に汲み取る巧みな妥協劇を展開した。対立しながらも互いの実力を認めざるを得なかったこの歪な二頭政治は、山県が晩年に見せた焦燥感と、原の急死という劇的な幕切れによって突如として崩壊する。二人の関係性の変遷には、近代日本の統治構造が抱えていた本質的な矛盾が凝縮されていた。