街の歪みを愛する男・大山顕が語る「都市鑑賞」最新美学の真実
街の歪みを愛する男・大山顕が語る「都市鑑賞」最新美学の真実を徹底追究! 知っておきたい 重要ポイントを分かりやすく展開します。
かつて工場の夜景や高架下の建造物は、単なる産業インフラか、あるいは都会の吹き溜まりのような無愛想な存在でしかなかった。その価値観を劇的にひっくり返したのが、彼が世に送り出した『工場萌え』というムーブメントだ。入り組んだパイプライン、無骨に張り巡らされたキャットウォーク、蒸気を噴き上げる巨大タービン。機能美の極致とも言える構造物の群れに「萌え」という情熱的な言葉を掛け合わせた発想は、当時の写真界に雷鳴のようなインパクトを与えた。
続いて発表された『高架下建築』では、線路の真下に潜り込むように建てられた店舗や住宅の力強い生態に光をあてた。頭上を電車が駆け抜ける轟音と振動の中で、都市の隙間にぴったりと寄り添うように生きる建造物たち。これらの試みは、プロの建築家が設計する意図的な名建築ばかりを仰ぎ見る従来の建築観への、強烈でユーモラスな批評でもあったのだ。街をただ歩いて眺める都市鑑賞という新たなライフスタイルは、ここから本格的な広がりを見せ始めることになる。