三島由紀夫自決の真実と古賀浩靖の現在|半世紀の沈黙を破る記録
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1970年晩秋の白昼、日本中を駆け巡ったニュースは列島を凍りつかせた。陸上自衛隊東部方面総監を人質に取り、バルコニーから自衛官たちへ憲法改正と決起を叫んだ三島由紀夫。演説が怒号にかき消された後、三島は総監室で短刀を腹へと突き立てた。
介錯役に指名されていた森田必勝の手は激しく震え、太刀は二度までも狙いを外す。部屋中が阿鼻叫喚と化すなか、居合の達人でもあった当時神奈川大学法学部の青年が覚悟を決めて前に進み出た。太刀を受け継ぎ、凄まじい気迫とともに一撃で三島の首を刎ね、さらに続いて自決した森田の介錯をも見事に完遂したのが彼だった。
血塗られた刀を置き、警察の突入を静かに待った若者たち。彼らが結成した民間防衛組織「楯の会」の理念とは何だったのか。ただの狂信的な追従者として片付けるには、あまりに冷徹で、かつ純粋すぎた行動原理がそこには存在していた。