幼児のスマホ利用で脳はどう変わる?言葉の遅れと発達リスクの真相

幼児のスマホ利用で脳はどう変わる?言葉の遅れと発達リスクの真相とは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授らが実施した、小児224人を対象とする3年間の脳MRI追跡調査は、教育界と医学界の双方に大きな衝撃を与えました。この縦断研究で明らかになったのは、日常的なスマートデバイスの使用時間が長い子どもほど、前頭前野の発達におけるスマホの影響が顕著であり、脳の白質や灰白質の発達が広範囲にわたって停滞しているという事実です。

幼児期の脳は、シナプスの結合と刈り込み(プルーニング)を爆発的なスピードで繰り返しながら回路を形成しています。特に思考や感情の抑制、他者への共感を司る前頭前野は、五感を通じたリアルな体験と人間同士の相互作用によって刺激を受け、成熟していきます。ところが、スワイプひとつで即座に快楽刺激(ドーパミン)が得られるスマホ操作は、受動的で過度な感覚入力を繰り返すため、本来育つべき神経回路の配線を阻害してしまうのです。

さらに親たちを悩ませるのが、幼児のスマホによる言葉の遅れです。米国小児科学会(AAP)や国内外の小児神経の専門医が指摘するように、言語獲得の本質は「言葉のキャッチボール」にあります。親の表情の変化、抑揚、声のトーンに反応しながら発話の基礎が作られますが、画面を凝視する受動的な視聴では、音声が単なる「環境音」として流れてしまいます。1歳・2歳のスマホと脳科学の最新研究においても、対面コミュニケーションが奪われた時間と語彙数の減少には明確な相関が認められており、言葉が出ない、視線が合いにくいといった相談件数の増加と直結しています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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