Bcgの跡がない年代の真相|はんこ注射の制度変遷と痕が消える理由
Bcgの跡がない年代の真相|はんこ注射の制度変遷と痕が消える理由を詳しくリサーチ! 知っておきたい 重要ポイントを分かりやすく展開します。
インターネット上のコミュニティやSNSで定期的に話題となる「BCGの跡がない年代」という言説。結論から言えば、「日本国内で生まれ育った特定の年代全員がBCGを接種しておらず、跡が全くない」という年代は存在しません。日本においてBCG接種は1951年(昭和26年)の結核予防法制定以来、乳幼児期における極めて重要な定期予防接種として位置づけられ続けているためです。
ではなぜ、「自分たちの世代には跡がない」「特定の年代から消えた」という認識のズレが生じるのでしょうか。その背景には、日本の結核予防接種制度が複数回にわたって大規模に改定されてきた歴史があります。
かつての日本は、乳幼児期に1回打つだけで終わりではありませんでした。小中学校の定期健康診断において全員に「ツベルクリン反応検査(ツ反)」を実施し、判定が「陰性(免疫が不十分)」だった児童・生徒に対してのみ、学校の体育館などでBCGの追加接種(再接種)を行っていたのです。
この小中学校でのツベルクリン反応およびBCG再接種制度は、2003年(平成15年)の結核予防法改正(2005年4月完全施行)によって廃止されました。医学的なエビデンスとして「BCGの再接種による結核予防効果の増強が乏しいこと」や「結核の低蔓延化」が国際的・国内的に証明されたためです。
つまり、次のような制度的要因によって「腕に痕が追加されなかった層」が年代ごとに生まれています。
第一に、昭和後期から平成初期生まれの中で「小中学校のツベルクリン反応で陽性判定だった人」です。乳幼児期に接種したはんこ注射の痕が大人になるにつれて薄れ、かつ小中学校で再接種を受けなかった場合、腕には目立つ痕跡が残りません。
第二に、2003年以降(おおむね平成15年以降)に小中学校時代を過ごした世代です。学校健診でのBCG再接種自体が存在しないため、乳幼児期の1回きりの接種痕が薄くなれば、成人期には「完全に跡がない」状態に見えるようになります。