居酒屋の「あかんやつ」とは?レバ刺し裏メニューの違法性と食中毒リスク

居酒屋の「あかんやつ」とは?レバ刺し裏メニューの違法性と食中毒リスクについて専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をお届けします。

かつては大衆居酒屋や焼肉店の定番人気メニューだった牛レバ刺しが、なぜこれほど厳格に規制されるに至ったのでしょうか。その直接的な契機となったのは、2011年4月に発生した「焼肉酒家えびす」における集団食中毒事件です。富山県・福井県などの店舗でユッケなどを食べた客181名が発症し、幼児を含む5名が死亡、重症者24名を出すという戦後最悪クラスの飲食事故となりました。

厚生労働省および薬事・食品衛生審議会が実施した全国規模の調査では、健康な牛であっても牛の肝臓内部(深部組織)から高確率で腸管出血性大腸菌(O157など)が検出されるという衝撃的な科学的データが立証されました。表面をトリミング(削り落とし)したり殺菌洗浄したりしても、内部に入り込んだ細菌を除去する技術は存在しません。この結果を受け、厚生労働省は2012年7月1日、牛レバーを生食用として販売・提供することを法律で全面禁止しました。

さらに牛レバー規制後、代替品として急速に広まった豚生レバーに対しても、E型肝炎ウイルス感染や有鉤条虫(寄生虫)のリスクが極めて高いことから、2015年6月12日に同様の生食提供禁止措置が下されました。

現行法における違反時の罰則は非常に重く設定されています。食品衛生法第13条第2項違反(規格基準違反)が適用された場合、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金(法人の場合は最高1億円の罰金)」が科されます。さらに保健所からの無期限営業停止処分や営業許可の取り消し処分が下され、飲食事業者としての社会的信用は完全に失墜します。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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