高齢者の肺炎急変はなぜ起きる?見逃せない前兆サインと緊急対処法
高齢者の肺炎急変はなぜ起きる?見逃せない前兆サインと緊急対処法の背景について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。
急激な悪化を防ぐためには、教科書的な症状を待つのではなく、高齢者特有の肺炎急変の前兆を鋭敏に察知しなければなりません。最も信頼性が高く、かつ見逃されやすいのが肺炎急変時のバイタル変化における「呼吸数」の変動です。多くの家族や介護者が体温ばかりに気を取られますが、肺組織の機能低下が始まった際に体が最初に見せる代償行動は、1回換気量の減少を補うための頻呼吸です。
平常時の成人の呼吸数は毎分12〜18回程度ですが、肺炎の初期病態が進行すると、体温が平熱(36度台)のままでも呼吸数は毎分22〜25回以上へと跳ね上がります。肩で息をしているような補助呼吸、小鼻がピクピクと動く鼻翼呼吸、あるいは「いつもより呼吸音が荒い」「話すときに息が途切れる」といった変化は、肺胞レベルでのガス交換障害が始まっている動かぬ証拠です。同時に、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の低下が進行し、通常96〜99%ある数値が93%以下、あるいは平常時より3〜4%以上低下している場合は、一刻を争う救急要請の目安となります。