富山市ガラス美術館が世界的絶賛を浴びる理由と隈研吾建築の真価

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建物を一目見た瞬間から、鑑賞体験はすでに始まっています。外観は御影石、ガラス、アルミニウムという異素材を斜めに組み合わせたスパイラル状のファサードで覆われ、富山を象徴する立山連峰の険しい山肌や、光を浴びて乱反射する雪と氷の結晶を想起させます。

内部へ足を踏み入れると、外観の硬質な質感とは対照的な温もりに満ちた大空間が迎えます。富山市ガラス美術館の隈研吾氏による建築設計の真骨頂は、2階から6階までを斜めに貫く巨大な光の吹き抜けにあります。富山県産の無垢スギ材を用いた無数のルーバーが不規則なリズムで配置され、南西側の開口部から差し込む自然光が木漏れ日のようにフロア全体へと降り注ぎます。

もう一つの革新性が、富山市立図書館本館との空間統合です。一般的な文化施設のように美術館と図書館を壁で隔てるのではなく、吹き抜けを挟んで緩やかに視線と気配が交差する構造を採用しています。本棚の間を歩きながら頭上にガラス作品や吹き抜けの木組みを見上げ、アート鑑賞の余韻に浸りながら閲覧スペースで思索に耽る――。知と芸術の境界線を完全に溶かし去った空間設計は、公共建築のあり方を更新した実例として建築関係者の間でも語り草となっています。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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