一級建築士と二級建築士の違いとは?年収格差と業務範囲の境界線を解剖
一級建築士と二級建築士の違いとは?年収格差と業務範囲の境界線を解剖について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をご確認ください。
2020年(令和2年)3月の改正建築士法施行により、建築士の受験資格制度は歴史的な大転換を遂げました。かつては「大学卒業後に所定の実務経験2年を経てから受験」というルールでしたが、法改正後は「試験合格後に免許登録までに実務経験を満たせばよい」仕組みに変更されたのです。
これにより、大学や高等専門学校、認定専門学校で指定科目を修めて卒業すれば、卒業したその年に一級建築士・二級建築士の双方を実務経験ゼロで受験することが可能になりました。
二級建築士を経由すべきか?一級へ直接挑むべきか?
学歴と実務環境によって、最適なルートは明確に分かれます。
- 四大建築学科卒業生:一級建築士の「直接受験」が定石です。法改正により卒業直後から一級に挑めるため、あえて二級を挟む時間は機会損失になり得ます。頭が学生時代の勉強モードにあるうちに、一級の学科・製図を駆け抜ける若手が増加しています。
- 建築系専門学校・短大・工業高校卒業生:まず在学中または卒業直後に「二級建築士」を確実に取得し、その後実務を積みながら一級へステップアップするのが王道です。実務経験要件を満たすまでのモチベーション維持と手当獲得につながります。
- 完全実務経験ルート(学歴なし):二級建築士試験の受験に実務経験7年が必要であり、二級合格後にさらに実務経験4年を経て一級の受験資格を得る形になります。極めて険しい道ですが、現場叩き上げのプロとしてこのルートを踏破する技術者も存在します。
特筆すべきは、二級建築士試験の製図課題を経験しておくことが、一級の製図試験に対する「強固な基礎体力」になる点です。一級の製図試験は要求される図面量が多く、制限時間内に手戻りなく空間を組み立てる瞬発力が試されます。二級製図で平行定規の扱いや図面表現の作法を体に叩き込んでいる受験生は、初学者に比べてエスキスと作図の安定感において優位に立てるという側面は見逃せません。