瑞巌寺五大堂のすかし橋に隠された真実|秘仏の謎と伊達政宗の歴史

瑞巌寺五大堂のすかし橋に隠された真実|秘仏の謎と伊達政宗の歴史の注目されている理由を丁寧にまとめました。全体像を一目で把握できます。

五大堂の正面に立つと、堂内中央の厨子の扉が固く閉ざされていることに気づきます。内部に安置されているのは、中央の大聖不動明王を中心に、東方の降三世明王、南方の軍荼利明王、西の大威徳明王、北の金剛夜叉明王からなる木造五大明王像です。

この瑞巌寺五大堂の秘仏は33年に一度しか開帳されない極めて厳格な秘仏として守り継がれています。慈覚大師円仁の手彫りと伝承されるこの明王群は、伊達政宗公以来、藩主ですら平時の拝観は許されず、藩の安泰や国家鎮護の特別な祈祷時のみ開扉されてきました。直近の御開帳は2006年(平成18年)に行われており、次回の開帳は2039年の予定です。普段は格子越しにうっすらと厨子の輪郭を拝むのみですが、33年という仏教的サイクル(観音菩薩の三十三応現身に由来)が、建造物への崇敬の念を今なお高めています。

秘仏が拝めない平時であっても、見逃してはならないのが瑞巌寺五大堂の十二支彫刻です。堂の四方を見上げると、軒下の蟇股(かえるまた)と呼ばれる構造材に、息を呑むほど精緻な動物の透かし彫りが施されています。

この彫刻群の特筆すべき点は、単なる装飾ではなく東西南北の方位に厳密に対応して配置されていることです。堂の正面(南面)中央には午(うま)が刻まれ、その左右に巳(み)・未(ひつじ)が並びます。東面には卯(う)、西面には酉(とり)、北面には子(ね)が正確に据えられており、自分の干支を探すだけでなく、古代中国から伝わる四方守護の思想と桃山美術の大胆な造形美を間近で観察できます。彩色こそ風化により落ちているものの、欅材の木目を生かした躍動感あふれる彫りは、伊達政宗が京都から招いた当代屈指の名工たちの腕前を雄弁に物語っています。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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