非共有電子対と共有電子対の違いは?一瞬で見抜く裏技と配位結合の罠
非共有電子対と共有電子対の違いは?一瞬で見抜く裏技と配位結合の罠に関する知りたいポイントを徹底的にまとめました。詳細を読もうことができます。
電子式の読み解きで混乱する最大の要因は、電子が「何のためにペアを作っているのか」という目的意識を見失ってしまう点にあります。原子は基本的に、最も外側の電子殻(最外殻)を満杯にして、希ガスと同じ安定な電子配置(オクテット則:最外殻電子8個、水素は2個)を目指します。
この目的を念頭に置くと、2種類の電子対の正体は極めてシンプルです。
- 共有電子対:お互いの不対電子(対になっていない1個の電子)を出し合い、原子同士が強固に結びつくために「共同所有」している電子のペア。構造式で「1本の価標(線)」として引かれる部分です。
- 非共有電子対:最初からその原子自身の中でペアを組んで完結しており、他の原子と共有されていない「自己完結型」の電子のペア。英語では「lone pair(孤立電子対)」と呼ばれます。
ここで重宝する裏ワザが、「原子の手の数(原子価)と余りの計算」です。例えば窒素原子(原子番号7)は最外殻電子が5個あります。オクテット則を満たすためにあと3個の電子を必要とするため、「手(不対電子)」は3本です。全5個のうち3個が共有結合の手として使われるため、残る電子は2個。つまり「2個=1組」のペアがそのまま余り、これが非共有電子対になります。
この計算習慣さえ身につければ、複雑な構造式を前にしても、元素記号を見るだけで非共有電子対の数を瞬時に割り出せるようになります。
基礎を揺るがす盲点|価電子と最外殻電子の違いを完全整理
電子対を正確に数える前提として、絶対に混同してはならないのが価電子と最外殻電子の違いです。定期テストの小問や共通テストの正誤判定で、毎年多くの受験生がここで足をすくわれます。
最外殻電子とは、単純に原子核から最も外側の軌道に存在する電子の「総数」を指します。一方、価電子とは「化学結合に関与する外側の電子」を指します。典型元素において、第1族から第17族までは両者の数字は一致します。しかし、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの「18族(希ガス)」において決定的な差異が生じます。
希ガスは最外殻に2個(ヘリウム)または8個(ネオン・アルゴン)の電子を持っていますが、極めて安定した閉殻構造を形成しているため、他者と結合を作る手がありません。したがって、「最外殻電子数は8個(Heは2個)、価電子数は0個」となります。この定義の違いを曖昧にしたまま電子式を書こうとすると、非共有電子対のカウントミスに直結するため、厳密な区別が不可欠です。