伝統と実写の枠を超越する異彩、坂東巳之助が秘めた狂気と真実
伝統と実写の枠を超越する異彩、坂東巳之助が秘めた狂気と真実の見逃せないポイントを一挙に解説しました。
名門・大和屋の家督を背負い、亡き父である十代目・坂東三津五郎の背中を追う中で、彼は伝統という大樹にすがりつくのではなく、自らの刃でそれを削り出す道を選んだ。歌舞伎の型を骨の髄まで叩き込まれた人間だけが到達できる揺るぎない体幹と発声。だが、彼が舞台上で放つ真の魅力は、型を完遂した先から滲み出る底知れぬ狂気にこそある。
単なる世襲の歌舞伎役者という枠組みには到底収まらない。名跡の重圧を糧とし、泥臭く芸を磨き上げる姿は、共演者や客席を問わず深い戦慄を呼び起こす。若手時代の模索期を経て、いまや彼が舞台に立つだけで場の空気が一変するほどの領域へと足を踏み入れつつある。