日本の安楽死はなぜ認められない?尊厳死との違いと法制化の現在地
日本の安楽死はなぜ認められない?尊厳死との違いと法制化の現在地についての最新情報をご紹介します。
日本国内で道が閉ざされている中、注目を集めているのが海外の安楽死認可国の動向です。世界には、積極的安楽死や医師による自殺幇助を法的に認めている国や地域が複数存在します。
オランダやベルギー、ルクセンブルク、カナダ、コロンビア、スペイン、オーストラリアの一部州、ニュージーランドなどでは、厳格な審査基準のもとで安楽死が法制化されています。また、アメリカの一部の州(オレゴン州やワシントン州など)では「尊厳死法」に基づき、余命宣告を受けた患者に対する致死薬の処方(自殺幇助)が認められています。
中でも特筆すべきはスイスです。スイスでは刑法第115条により「利己的な動機がない限り、自殺の幇助は処罰されない」と規定されており、非営利団体(ディグニタスやエグジット、ライフサークルなど)が自死幇助を支援しています。世界で唯一、自国民だけでなく外国人の受け入れを行っている点が最大の特徴です。
日本人がスイスへ安楽死を求めて渡航する場合、次のような厳しいプロセスと多額の費用が必要となります。
- 膨大な医療記録の提出と英語・現地語への翻訳:治癒不能な重篤な疾患であることの医学的証明。
- 現地の医師による複数回の対面面談・審査:本人の判断能力や自発的な意思が確認できなければ承認されない。
- 渡航と手続きにかかる莫大な総費用:団体の年会費・登録料、医師の診察代、致死薬の準備、現地での火葬・遺骨搬送費用、同伴者の旅費などを含め、総額で約200万円〜300万円以上の実費がかかる。
言語の壁や渡航可能な身体的体力の残存、高額な費用負担など、スイスへの渡航安楽死は誰もが容易に選べる選択肢ではないのが冷厳な現実です。