『いちめんのなのはな』に隠された戦慄と涙|山村暮鳥の名詩の真相

『いちめんのなのはな』に隠された戦慄と涙|山村暮鳥の名詩の真相の要点や背景を丁寧にまとめました。全体像を一目で把握できます。

多くの大人が「いちめんのなのはな」という冒頭だけを断片的に記憶していますが、まずはその全貌を改めて見つめ直す必要があります。本作は4つの連から構成されており、機械的な反復の中に極めて計算された感覚の揺らぎが配置されています。

詩集『聖三稜玻璃』より『風景 純銀もざいく』全文

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ひばりのおしやべり
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
やめるはひるのつき
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな

全35行のうち、実に31行が「いちめんのなのはな」という同一のフレーズで埋め尽くされています。第1連から第3連にかけては、8行目にそれぞれ「かすかなるむぎぶえ(聴覚)」「ひばりのおしやべり(聴覚)」「やめるはひるのつき(視覚)」という異質な情景が1行だけ挿入され、最終第4連では一切の夾雑物が消え去り、8行すべてが「いちめんのなのはな」の連呼で幕を閉じます。この徹底したリフレイン技法が生み出す催眠的なグルーヴは、読む者の意識を日常から切り離し、黄金色の光彩の中へと引きずり込みます。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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